パイプを楽しむ為に

パイプを始める為に必要なもの

1.パイプ

最初は、下のシェープ一覧の中のビリヤードタイプがベストです。
当面は1本でいいと思いますが、将来的には2~3本あると交代して使えるので便利です。

パイプメニューのカジュアル・パイプ からどうぞ。

2.コンパニオン

灰をかき出すピック・スプーン・詰めたタバコを押さえたり整えるタンパーがセットになっています。

3.モールクリーナー

イプの煙道の掃除に利用します。煙道に通しやすいテーパードになっているものが使い易い。これは消耗品です。

以上3点がパイプを始めるに当たり最低必要なアイテムです。その他には、パイプ用ライター
パイプ用灰皿、パイプスタンド、ポーチ等々お気に入りを徐々に揃えていけば愉しみも増して いくと思います。
パイプたばこ キャップテンブラック、アンフォーラ・フルアロマティック等が香りも良く 喫いやすいたばこです。


パイプの楽しみ方 Q&A [吸い方編]

すぐに火が消えてしまう。舌が痛くなる。パイプスモーキングは苦痛で理屈どおりにいかないと嘆かれるあなたの質問にお答えします。パイプスモーキングは、愉しみながら長い道のりを経験して、独自の喫煙方法が完成されるものと言うことをまず頭に入れましょう。簡単に行かないからこそ、成功の喜びは大きく、至福の一服は最高のご褒美となるのです。

Q. たばこの詰め方がよく分かりません。ポイントを教えてください

A. よく揉み解したたばこを3~4回に分けてボウルの容量の八分目を目安に詰めてください。硬く詰めると空気の通りが悪くなり、すぐに火が消えてしまいます。柔らかすぎると燃焼温度が上がってしまう原因になります。シガレットを吸うときの空気の流入量と同じくらいの硬さが目安になります。

Q. パイプの着火方法と持続させるためのテクニックはありますか?

最初の着火は、たばこの最上部の表面を炭化させるためです。炎を近つけてプカプカと煙量を多くすると火皿の中のたばこが盛り上がってきます。一旦口から離して、タンパーでその盛り上がったたばこを押さえて表面を平らにします。これでたばこの上部に炭が乗った状態になります。再度着火します。2度目の着火で持続する火種を作ります。喫煙途中も、適宜タンパーを使ってたばこを押し下げてください。喫煙途中にタンパーを使わないと、燃焼温度が上がってしまいます。

Q. 喫煙途中で急に止めたいときはどうすればいいのでしょうか。一回消したたばこは捨てた方がいいのでしょうか?

パイプを吸うことを止めると、自然に火が消えてしまいます。次に喫煙する時には、上部に残っているたばこの白い残滓を落として、タンパーで表面を平らにして再度着火させてください。その日の内なら何回着火しても問題ありません。一晩越したたばこは残っていても捨ててください。

Q. パイプを吸っていると立ち消えしてしまうのですが、どうしたらいいでしょう?

たばこの立ち消えを心配して強く吸い込むのは厳禁です。強く吸い込むとたばこが片燃えして余計に立ち消えの原因となり、ボウルの内側を焦がす原因にもなります。また、味を落としたり、口内を刺激してしまいます。「火が消えたら、また着ければいいや」という気持ちが必要です。パイプ喫煙の重要な要素は、吸うだけでなく、火皿に向かって吹くことも重要です。

Q. パイプには金属フィルターの付いているものと付いていないものがありますが、何が違うのでしょうか?

金属フィルターが付いていなくてもパイプ喫煙はできます。逆に邪魔になる場合があります。喫煙途中に吸口からモールを入れて内部のジュースを取る時には邪魔になります。ペーパーフィルターは、ジュースを吸収するのでお勧めです。紙製のフィルターは、3ミリ、6ミリ、9ミリとサイズがありますから、使っているパイプに合せて選んでください。

Q. パイプのダボの部分を折ってしまいました。特に力を入れて回したわけではないのですが、不良品ではないのでしょうか?

パイプのシャンクとダボの部分は煙が漏れないように、ピッタリと作られています。喫煙直後、まだパイプが熱いうちに吸い口を外そうとすると、ダボが膨張しているので折れる心配があります。喫煙後のパイプは最低でも2~3時間かけて冷やしてください。その後、パイプが冷えるのを待ってから吸い口を外してください。

Q. パイプのケアの仕方を教えてください。

1)喫煙後のクリーニング
パイプが温かいうちにマウスピースを外すと、シャンクやダボ部を破損する恐れがあります。パイプが完全に冷めたことを確認した後、ボウル内壁を傷つけないように注意し、溜まった灰を除去します。また、マウスピースを慎重に回しながら外した後、モールクリーナーで充分にタールや水分をきれいに取り除きます。

2)カーボンの厚みを一定に維持する
パイプスモーキングを重ねるたびに、ボウル内壁に付着したカーボンが厚みを増してきます。カーボンは喫煙中にたばこから出る油脂分と灰の混合物で、ボウルを火熱から保護し、たばこから出る水分を吸収することで、その喫味をマイルドにしてくれます。しかし、厚いまま喫煙し続けると、膨張、収縮率の違いからボウルにひび割れを生じさせることがあるため、リーマーで成型する必要があります。カーボンの厚みは、1.5~2ミリ位が適当で、ボウル内壁に均等な厚みを残して、残りは除去します。

3)パイプの保管
パイプに付いた手垢等は、ポリッシングクロスやパイプクリーン液等できれいに拭き取ります。メンテナンス後のパイプは十分に乾燥させた後、パイプスタンドに立て掛けるか、パイプポーチに入れて保管します。

Q. 自分に合ったたばこを選ぶには、どうしたらいいでしょうか?

パイプたばこは、スモーカー各自の好みによって大きく違います。それゆえパイプたばこの種類の多さがあります。パイプたばこの3つの要素「香味」「喫味」「強さ」のバランスが銘柄ごとに違います。1つずつ試して味の遍歴をするのも、パイプスモーキングの楽しみです。


パイプの基本的なクラシックシェーブ

パイプの各部の名称

ブライヤー(BRIAR)

ブライヤーはギリシャ、コルシカ、サルジニアなど地中海沿岸に自生するシャクナゲの仲間であるエリカの根こぶです。俗説バラの根は誤りです。ブライヤーはフランス語でブリュイエールと言い、1868年これが英語になってBRIARとなり、従来からある野バラ(BRIAR)と同じ綴り、発音であるところからの錯誤と思われます。
エリカの木は夏のまったく雨の降らない激しい荒地に育ち、大きなものは直径1メートル近くもあり、樹齢は4、50年以上経つものもあります。岩石の多いやせ地に育つため成長には長い年月を要し、それ故、繊細なグレインができます。
 工場に運び込まれたブライヤーは大きく切断され、小石や砂を噛んでいるものや虫食い、ひび割れのあるものを選別し、パイプの各原型に従い切断されてエボーションが作られます。木取りされたエボーションは大きな釜で半日から丸1日煮沸されます。これはブライヤーに含まれている樹液を取り除くためです。こうしてあく抜きされたエボーションは更に水気を切り、4ヶ月から2、3年以上も陰干しされた後、各等級に分類され、麻袋に60~80ダースくらいに分けてパイプメーカーに出荷されます。グレインの良好なブライヤーはラフ(表皮)をつけたまま木取りされますが、これはプラトゥと呼ばれ高級品として出荷されます。

 


たばこ葉の種類と特徴

ヴァージニア

1612年、インディアンのプリンセスであったポカホンタスの夫ジョン・ロルフがヴァージニアにたばこの種を持ってきて育てたのが始まりです。生産地は、ヴァージニア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、フロリダ州、そしてジョージア州ですが、日本はもちろんインド、アフリカ等世界的な規模でその生産地が広がっています。ヴァージニアは土壌や、乾燥方法などにより色や喫味が変わります。バーレー同様ストレートでも喫煙でき、キャラクターもフルボディーからライトまで色々ありますが、バーレーよりは強めな芳香と甘さを持ち、オイル分が少なくマイルドな喫煙ができます。燃焼速度は、乾燥方法や製造方法によって違いがあります。

オリヱント

ターキッシュと呼ぶこともあります。バルカン半島 からトルコ、シリア、キプロス島で作られるたばこで、ラタキアもオリエントに含まれています。オリエントの独特の香味と喫味は、パイプたばこのブレンドにはなくてはならないものです。

 

ラタキア

たばこの燻製です。1870年ごろシリア地中海沿岸地方ラージキーアのラタキア市でたばこ農夫が、収穫が多すぎたため、自宅の天井裏に余ったたばこを積んで置きっ放しにしました。当時、家庭での煮炊きの燃料はらくだの糞だったので、天井裏にあったたばこは燻製され強烈な臭いを発するようになりました。農夫は、そのたばこを普段喫煙している自分のたばこにブレンドして喫ったところ、今までに経験したこのない素晴らしい香りを発したので驚きました。これがラタキアの発見でした。現在では、各種のハーブや木片を炊いてスモークさせ、キュアリングさせています。オイリーな暗褐色に変化したたばこは、酸味のある甘みを持ちますが非常に強く、ストレートでの喫煙は不向きです。しかし、プランタの「ベロウアーズ・ラタキア」のように、ラタキアをストレートでも喫煙できるようにマイルドに仕上げた製品も出ています。

 

ペリク

たばこの漬物です。1790年アメリカ建国直後、カナダのフランス人ピエール・チェネがルイジアナのセント・ジェームズ・パリッシュで地元のインディアン・チャクタウ族とチッカソー族の間で作られていたたばこに興味を持ちました。作り方は、大木を刳り貫き、たばこを詰め強圧を加え、ジュースを絞り出します。そのジュースと1ポンドほど束ねられたたばこをオークの樽に入れて、圧力をかけて熟成発酵させます。取り出されたたばこは、約2週間自然乾燥させます。この工程を2回行い、その後10ヶ月間加圧します。出来上がったたばこは、黒か黒に近い茶色となり、強い発酵臭を伴います。チェネは、独自の製法を加え商品として市場に出しました。名前の「ペリク」は、ピエール・チェネのニックネームだったペリクから付けられたものです。ペリクは、ニューオーリンズの西方80キロにあるこの街でしかできないたばこです。作るのに大変手間がかかり、1960年代には20数社あったメーカーが、現在では数家族だけになっています。非常に強い芳香をもっているので、上限5%程度までのブレンドをお勧めします。ペリクをストレートで喫煙するのは無理があります。

 

バーレー

1864年にアメリカで初めて作られました。たばこの中で一番香料の浸透性がいいので、よくバニラ、チェリー等の香り付けに使われています。パイプたばこでは一番多く使われているバーレーは、クリーンでマイルド、ナチュラルな喫味を持っているので、ブレンドに加えることにより喫味を軽くする役目をします。アメリカでの産地はテネシー州、ケンタッキー州、オハイオ州南部。バーレーはほとんどの種類のたばこに容易にブレンドすることができるため、ベースになるたばこのひとつとして重要です。喫煙しているたばこが、極端に甘かったり、強すぎたりした場合は、バーレーを50%までの目安でブレンディングするとマイルドになります。最近流行のキューブカットはバーレーが使われています。


キャヴェンディッシュ

1660年前後、ニューキャスル公爵のウイリアム・キャヴェンディッシュ公がこの製法を編み出しました。キャヴェンディッシュには、甘味成分を加えたものと生のままのたばこを使った2種類があります。甘味成分は、メープルシロップ、砂糖水、ラム、蜂蜜等で、加熱加圧してたばこを熟成させています。英語の表記では、甘味香料つきは“Flavored”あるいは“Sweet Aroma”など、甘味香料が着いていないものは“Pure”と表示されています。

 

ケンタッキー

アメリカのみでなく、世界各地で作られているたばこです。キックのあるたばこで、パイプたばこでは、強さを出したいときに使われます。

 

メリーランド

アメリカのメリーランド南部、ポトマック川とチェサピーク湾に囲まれた地域でしか作られていません。たばこは、薄く、渇き気味ですが火持ちがいいのが特徴です。喫味はフラットで、たばこ自体の香りも薄いので、火持ちの悪い製品にブレンドすると燃焼性が良くなり味もマイルドになります。非常に生産量の少ないたばこです。